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 鳩尾の辺りに重みを感じて目が覚めた。

「……きょうや…?」
「なに」

 床に直接座った恭弥の頭が乗っている。

「どした?」

 何の気なしに髪を乱すと気持ちよさそうに目を細めながらぐりぐり顔を押し付けてくる。ぐりぐりぐりぐり。懐きに懐いてやがて動かなくなった。

「恭弥」
「…なに」
「眠い?」
「別に」

 転寝のつもりがつい眠り込んでしまったらしく、窓の外はとっくに暗くなっている。

「起きていい?」
「好きにすれば」

 そう言いつつ自分からは動こうとしない恭弥だ。だけどこのままじゃあ私が二度寝してしまう。服越しの体温はどうにも心地良くていけない。

「きょうや、」

 少し荒っぽく髪を掻き乱されてようやく、億劫そうに首をもたげる。また寄りかかられないうちに体を起こすと、今度は膝へ。

「やっぱり眠いんだろ」

 ソファーの上へ引き上げても抵抗はない。

「少し寝る?」
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