「今日からここで寝よう…」
だらしなく床へ寝そべり、時折意味もなく呻いていたかと思えばそんなことを言い始める。本当に実行したら夜中に床の冷房と暖房を切り替えてやろうと考えながら、雲雀は一先ず目障りな図体をどうにかしようと足を上げた。
「…恭弥君、何かなこの足は」
「僕の足だよ。見てわからない?」
やっぱりリナは暑さで少しおかしくなっているのかもしれない。
「……その足が私の背中に乗ってる理由を聞いても?」
そんな当たり前のことさえ分からなくなっているようなら重症だ。これ以上悪化する前に一思いに殺してやるのが親切というものだろうと、雲雀は容赦なくリナを踏みつけた右足へ体重をかけていく。
「踏み潰して欲しそうだったから、望み通りにしてあげようと思って」
「やっぱりか…!」
わたわた逃げ出そうとしたって今更手遅れだ。雲雀は無防備に晒されていた背中の中心を違わず押さえ込んでいる。
「私一応お前の恋人だよな? 彼女に対してこの扱い?」
「嫌なら他をあたりなよ」
「いや嫌とかそういうことじゃなくてだな…」
それでも本気でどうにかしようと思えばどうとでも出来るだろうに、早々脱出を諦めたリナはくたりと脱力して「もうどうにでもして」と言わんばかりの体だ。
つまらない。
「もっとちゃんと抵抗したら」
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