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小噺専用
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 エリカ・シモンズが何かのついでで調整したらしいオートバイを試運転も兼ねて私用で乗り回していたら、途中で思わぬ知人と出くわした。

「なにそれコスプレ?」
「フィーラさん…」

 アスラン・ザラ。ラクスのヘタレた婚約者だ。さすがにここで「どうして《モルゲンレーテ》の制服なんて着てるの?」とか、そういう答えづらい質問をして困らせてやろうと思うほど私も意地悪じゃない。
 まぁわざわざ呼び止めてまで接触を持った時点で相当な意地悪ではあるけど。これくらいはルクスだってたまにやってることだ。

「一人?」
「あの…」
「あぁ、いいのいいの。答えられないって分かって聞いてるから。独り言だと思って聞き流して」
「はぁ…」
「その代わり私のことも内緒にしてね。いいこと教えてあげるから」
「いいこと、ですか…?」
「いいこと、よ」
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 いつかは、全てが終わると知っていた。



『フィーラがコード:Dを発動しました』
「・・・そうか」



 浅はかにも俺は、どうにかすればそれが止められるのではないかと思っていた。



「フィーラは?」
『未だレヴァテインガンダムと交戦中。ネットワークを切断している為、通信は不能です』
「フィーラ・・は、何か言ってたか?」



 微かな希望にすがり付こうとしていた。



『いいえ』



 重すぎるその運命を突きつけられた本人は、



「そう、か」



 あんなにも真っ直ぐに現実を受け止めていたのに、



「悪い、しばらく操縦代わって・・」



 こんなにも、この世界を愛しているのに、



『了解』



 お前さえいてくれれば俺は平和なんて要らないんだよ。
 たとえそれが全てを殺すことになったとしても。



「フィーラ・・っ」



 どうか無事で、俺たちの運命の女神。

「・・・キッシュ」



 コード:D、発動。



『――了解。コード:D発動、ホープ全モニター及びセンサーシステムを切断。精神感応[ペルソナ]システム、起動。これより30秒後ホープの全ネットワークを切断。――フィーラ』
「うん」
『必ず帰ると約束して下さい』





「ごめんね」




 ぐらりと重力に従って傾いた体に手を伸ばし、思わず叫んだ。



「フィーラっ!!」



 いつかは訪れると分かっていたはずなのに、心はこんなにも頑なに現実を否定する。



「フィーラ。起きろよ、フィーラ・・フィーラ!!」



 神なんて信じないと全てを知ったとき誓った。
 その上で全てを受け入れると約束した。でも、これは・・



「フィーラ・・」



 早すぎる。
離れても大丈夫だから。と



ワタシハワラッテ
アナタモワラッタ



たった一枚の紙切れで生まれる?繋がり?
今までずっと一緒だったのに、どうしてそんなもの必要としたのか、今でも分からない



タダアナタハワラッテイテ
ワタシハコウカナホウセキヲクダイテ



仕事柄指輪は邪魔だったから、二人とも鎖を通して首から下げた
離れていても大丈夫。それは当たり前なのに大切なこと



ダッテワタシハマダタニンガコワクテ
ヒトノケハイガアッテハネムルコトモデキナイ



離れなければならないのなら、離れていても繋がっている証を
繋がりを証明したいのなら、法的な手続きもしよう



ワタシハドウシヨウモナクワガママデ
アナタハドウシヨウモナクワタシニアマクテ



ごめんなさいごめんなさい
ただ私が眠るまで手を握っていてくれませんか
そうすればきっと眠る事も出来るから
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