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 人は何故生きているんだろう。どうせ死んでしまうのに生きてるってなんだか気持ち悪い。
 人が幸せになるために生まれるなんて嘘よ。だってもし人が幸せになるために生まれるのなら、幸せでない人に存在価値はない。幸せじゃない人は、生きながら死んでいる。
 人はきっと、死ぬために生まれるの。死は幸せなんかと違って誰にでも平等に訪れる。私もいつかは死ぬし、死神は例外なく全ての人を手に掛ける。
 幸せになるためなんかじゃない。人はいつか死ぬために生まれて、生きる。全ての人がいずれ自分の元に死が舞い降りることを知っている。

 だから私は生きている。

 幸せになるためなんかじゃない。幸福は不平等だから、私はそんなもののために生きたりはしない。
 でも、もし、私の元に幸せと呼びうるものが舞い降りたら、その時は――

「僕には君が必要です」

 私はその幸福のために生きよう。
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