――全く、見てられない
頭の中に直接響いてくるような声と共に、――ぐにゃり――少し先の世界が歪んだ。
「おい、大丈夫なのか・・?」
山本の気遣うような言葉をよそに世界は歪み続ける。
そして、悲鳴じみた高い音と共に、歪みは一つの存在を吐き出した。
「そうも言ってられないでしょう。この状況じゃ」
背を覆い隠すほどに長い髪を払い、その言葉、仕草とは裏腹に幼い少女は、不敵な笑みを整った容貌に貼り付ける。
「心配なら足手まといをお願いね」
血のように紅い彼女の瞳は、獲物を捕らえ酷く残忍に輝いた。
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