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 何度か招かれる内にすっかり見慣れてしまった光景が、どこまでも続いている。
 絵に描いたように美しいこの場所を私は知らなかった。


「骸・・?」


 常ならば柔らかい笑みと共に迎えてくれる少年の姿はなく、名前を呼んでも現れないところを見ると招かれたわけではないのだろうと、リナは状況を正確に把握したがる思考に一応の答を与え、ゆっくりと周囲を見渡す。
 どこまで行けばこの楽園は途切れるのだろうと考えかけて、やめた。ここは俗に言う精神世界[アストラルサイド]なのだから、「ここで世界が終わる」と強く思えば、見据える先は混沌へととって変わる。この世界は、人の心に正直すぎるから。


「どうするかな・・・」


 たった一人でこんな所にいても退屈で仕方ない。美しい光景は別段不愉快でもないから揺るぐことはないし、厄介ごとはごめんだと心底思っているのでその手のことは起きない。故にここはとても退屈な世界だ。
 より強い心の持ち主だけが楽しむことを許される、この世で最もエゴの強い楽園。


「骸ー?」


 あの子は、こんなにも美しい世界を望んでいた。


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