「博士、朝ですよ」
助手の一日は、まず博士を起こすことから始まります。眠りの浅い博士は大抵部屋の外から声をかけるだけで起きてくれるので、起こすだけならそう面倒なことではありません。
寝室の扉を二度ノックして声をかけ、助手はその場を後にしました。
それから一階にあるキッチンで朝食の用意をして、後はもう食べるだけというところで、もう一度二階に足を運びます。
「博士、朝食出来ましたよ」
寝室の扉を二度ノックして声をかけ、返事が返ってこないことを確認してから、助手は扉を開けました。
「いい加減起きて下さい」
「んー」
左隅にベッドが一つ置かれただけの部屋を、カーテンの下からもれた僅かな光が照らしています。気のない返事をして寝返りを打った博士は、起きているくせにベッドを出ようとはしません。
眠りの浅い博士は大抵部屋の外から声をかけるだけで起きてくれるので、起こすだけならそう面倒なことではありません。起こすだけなら。
「ったく…」
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