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「お前らって結構好きだよな、こーゆーとこ」



 こつこつこつ。近付いてきていた足音が止まって誰のものか分かると、恭弥は「ほらね」と言わんばかりの顔をした。

「こういう所?」
「意外って、あなた僕らにどんな幻想抱いてるの」

 ほんとにね。

「失礼な話」
「あなたには僕たちが」
「ファミレスになんて縁のない」
「浮世離れした」
「「妖精にでも見えてるのかな」」

 甘ったるいパフェを平らげてごちそうさま。視線だけでもういいのかと問うてきた恭弥へにっこり笑顔を返し、伝票を摘み上げた手で《跳ね馬》を追い払う。

「邪魔」
「そこまで言うか…」

 すごすご退いた《跳ね馬》の表情は整った造作が勿体無いほど情けない。
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