忍者ブログ
小噺専用
80 80 80 80
80 80 80 80
[1151]  [1150]  [1149]  [1148]  [1147]  [1146]  [1145]  [1144]  [1143]  [1142]  [1141
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


 うるさいのが出てくる前にさっさと帰るつもりだったのに、チェルベッロは思いの外仕事が早かった。

「――恭弥!」
「……」

 じゃじゃ馬な弟子より素直な弟分の心配でもしてればいいのに、観覧席から出た跳ね馬はまず私のことを呼び止めた。そうくるとは思っていたけど。思ってたからさっさと帰るつもりだったのに。

「――大丈夫か?」
「触るな」

 無遠慮に伸ばされた手を容赦なく叩き落として一歩距離を取る。

「…イツキはどうした?」
「目の前にいるよ」
「は…」
「恭弥は面倒臭がって来なかった」
「お前らなぁ…」
「分かったならもう帰っていいでしょ」
「いーわけあるか! ったく、顔に傷でも残ったらどーすんだよ…」
「双子の見分けがつくようになる」
「バカ言え」


「あぁ、駄目、触らないで」


「違うの。そうじゃない。接触嫌悪症だから怪我してる時下手に触られると殺しちゃう」
「殺すって…」
「恭弥じゃないんだから、治療くらい自分でできる。帰れば恭弥が放っといてもくれないだろうし」

(だからかまわないで)


---


「――送りましょうか」
「…クローム髑髏は?」
「千種たちと一緒です」
「あっちについてあげればいいのに」
「そういうわけにもいきませんから」
「ふぅん…」

(ながれというものがあるのでね)
PR
Template by Crow's nest 忍者ブログ [PR]