煩わしいばかりの運命は、結局二人で一人分。
だからどちらかが為すべきことを為せばいい。
「――雲雀さん、」
過去は変えられる。
「大丈夫ですか?」
僕が変える。
「何が?」
「いえ…」
「君は自分の心配だけしておくことだね、沢田綱吉」
この、どうしようもない未来を何もかもなかったことにしてやり直す。そのために何が損なわれようと、もう構いはしない。
「大丈夫ですよ」
今更引き下がれはしない。
「必ずうまくいきます。だから無茶だけはしないで下さいね」
今度こそ救ってみせる。
「イツキさん」
「…彼女は死んだ」
こんな未来は、いらない。
「だから壊すんだよ」
----
お互いの仕事を気分で取り替えるなんてこと、珍しくはなかった。だからあの日も私は血生臭い仕事を恭弥に譲って、代わりに面倒な書類仕事を引き受けて、
「……」
何も問題なんてないはずだった。
「――恭弥?」
はずだったのに。
----
あの日死んだのは私だ。
「どうして僕が? 咬み殺されることになるのは君なのに」
「この状況で何を言っている!!」
だから「僕」は過去を変える。
「――うらやましいな」
こんな世界に未来はいらないんだ。
PR
カテゴリー
最新記事
(08/25)
(08/04)
(07/28)
(07/28)
(07/14)
(07/13)
(06/02)
カウンタ
検索