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 3年前の4月某日、何の前触れもなくあたしの「昨日」は終わることをやめた。










――○月○日事変/3年後の4月4日――










「――――」


 微妙にくぐもって聞こえるマイク越しの声は、まるで年寄りの歌う子守唄だ。抑揚がなく、どこか調子はずれなのに、眠気だけは確実にもたらすことが出来る。
 あたかも、誰も抗うことを許されない、魔法の呪文のように。

 時計の針は遅々としか進まない。客観的な20分を主観的には3時間くらいに感じながら、あたしはずるずると落ちて来ようとする瞼をなんとか持ち上げた。
 視界の端に時折入り込むテレビカメラが気になってしかたない。いくらローカルな地域番組の取材だからといって気を抜くと、後で痛い目を見ることになるだろう。
 起きてさえいれば一応の体面は保つことが出来るだろうと、普段は考えもしないような言葉が頭を過ぎった。「音」として入ってくる式辞の内容を「言葉」として取り込みたくないあたしの脳は、あたしをどこか遠い所にいるとても狡猾な〝あたし〟みたいにしようとしている。
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