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「今日はまた一段と不機嫌だね、華月」

 いつもと同じ場所で、いつもと同じように俺が現れるのを待っていた少女は、他の誰かが見れば卒倒しかねないような馴れ馴れしさで俺に接する。

「呼んだのはお前か? 蘭」
「そうだよ。この引き篭もり」

 その気安さがどこか心地良くて、俺は地面を這うほどに低かった機嫌を、僅かばかり持ち上げて肩を竦めた。

「俺にそんなこと言うのはお前くらいだよ」

 それでも、なるべく早くあの湖へ帰りたいという意思に変わりはない。

「で、今日の用件は?」

 人と話すことは好きだ。関わることも。だけどそれ以上に耐え難い喪失感が消えないから、俺はいつも神気の湖で漂っている。

「いつもと同じだよ。新しく生まれた子供への洗礼」
「またか」

 出てくるのはこうやって呼ばれた時と、極たまに気が向いた時だけだ。蘭の言う《引き篭もり》も、あながち間違ってはいない。

「そうあからさまに嫌そうな顔しないでくれるかな」
「洗礼の時は特に長老たちの視線が痛いから、嫌いなんだよ」
「気持ちはわかるけど、今日くらい真面目にやってくれると嬉しいな」
「…なんでまた」



華月が暗くなりすぎた
蘭が真面目にやれって言ってるのは妹の洗礼だから 蘭はお姉ちゃんになりました
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