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小噺専用
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 見渡す限りの戦場は、血と、死の臭いで満ちている。
 もはや戦場と呼べるかどうかすら怪しいこの世の地獄で、私たちは出逢った。

「問答は?」
「無用だな」

 互いに笑みさえ浮かべながら武器を向け合い、殺意を研ぎ澄まし、力を練り上げ、集中を高める。
 二人の目が合った瞬間、既にどちらか一方の命運は尽きていた。

「そうこなくっちゃ!」

 欠片ほどの油断も、躊躇いもなく、私たちは衝突する。そしてその瞬間、全ては決着した。

「…威勢の割に、弱いな」

 抉り取った心臓を握り潰して、指先から滴る鮮血を口に含めば、二つの欠片は一つとなって私の魂に溶ける。
 そうして幾度となく殺し合い、喰い合って、最後に生き残った《欠片》だけが還ることができる。最後まで生き残ることができなければ、還ることはできない。

「――まだ、足りない…」

 私たちは砕かれた。だからいつだって不完全で、不安定で、どうしようもなく互いの血に飢えている。その命を奪い血肉を喰らい魂を混ぜることでしか、自分という存在の在りかを確かめられないのだ。

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