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 突如走り出したルナは一瞬で両手にトンファーを構築し、文弥へと飛び掛る。不意打ちをくらった文弥は咄嗟に体を引き、同じくナノマシンによって構築した三叉槍で攻撃をいなした。

 そのまま、息つく間もない攻防が始まる。

 均衡を破ったのはルナの一撃だった。勢いのついた打撃をもろに受け、よろけた文弥の三叉槍が地面に突き立てられる。
 そこから爆発的に発動した幻術は、ルナに対しても有効だ。

「ちょっ…卑怯!!」
「不意打ちは卑怯じゃないのかよ」

 非難の声を上げながら隙のない幻覚に呑まれたルナに、文弥は冷ややかな一瞥をくれた。
 少しもしないうちにルナは降参してしまう。元々、意に沿わない戦闘だった文弥はすぐさま幻術を解き、二人の武器が同時に分解された。

「いい加減学べよ」
「あんたも手加減くらいしたら」
「したらしたで文句言うじゃん」
「そりゃ言うけど、幻覚は使わないとかさぁ!」
「ヤだよ。俺殴られるの嫌いだし」
「そういう問題?」
「そういう問題」

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