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 リナと別れて以来、付かず離れず側を飛んでいた黒い蝶が形を崩す。それを横目に、雲雀は何食わぬ顔でその場を離れた。途中誰にも呼び止められることなく――されたところで無視しただろうが――裏門まで歩くと、見覚えのある深紅の車が目の前へ滑り込んでくる。

「おつかれ」

 運転席から身を乗り出して助手席側のドアを開けたリナの言葉は、すとんと雲雀の中に落ちた。確かに疲れているかもしれない。血を流しすぎたから。
 納得するよう疲労を自覚した雲雀は遠慮なく革のシートを血で汚し、頬の傷を辿るリナの手は放っておいた。押し付けられた唇が治療のためかそうでないかは定かでないが、ここで眠ってしまえば同じこと。目が覚める頃には全て治療されているに決まっている。リナは雲雀の体に傷が残るを酷く嫌っているから。

(大空戦直後。おつかれひばり)


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「悪いな」
「何が?」
「ダシにして」
「気にしてないわよ。それに、組織にとってもいい機会だわ」

「Bonjour. ドン・ボンゴレ」

「行っていいわよ」
「でもなぁ…名ばかりとはいえ一応護衛だし」
「私に護衛なんていらないって、知ってるでしょ?」

(捏造継承式。お呼ばれしなくても行くラッシュ)
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