引ききった引き金に相応の反動がなくて、舌打ち一つ。
使い物にならないと分かった銃をそれでも捨てることが出来なかったのは、それが幻覚によって作り出したまやかしではないから。
「アリス!」
ホルスターに戻した銃とは別のシグが構えた手の中に構築される。引ききった引き金には今度こそ確かな手応えが伴った。
(手入れしない姉)
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(失敗したかな)
不自然に、ではない。けれど確かに会話は途切れて、訪れる沈黙。静寂でないのはある意味都合が良かった。
何をどこでどう間違えたのだろうかと、思案。けれど致命的なミスはなかったはずだ。今更彼女の意図を読み違えたりはしない。
(全部計算ずくな弟)
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