ホグワーツでの一年目が終わった。
キングス・クロス駅。九と四分の三番線ホームへ到着したホグワーツ特急を降りると、ようやく実感が湧いてくる。
「では、わたくしはお先に失礼します」
アリアと別れ、人混みの中にぽつんと一人。
いつの間にかいなくなっている猫のことは気にならなかった。
「――おい、放蕩娘」
気にしてなんていられない。
「最初っから最後まで、手紙の一つも寄越さないとはどういう了見だ?」
「レイチェル…」
まさかこんな所まで出張ってくるとは、正直夢にも思わなかった。
「あからさまに「しまった」って顔すんな」
短く切られ毛先のばらついた黒髪に、真紅の瞳。何より特徴的な魔力の質が、どこにいたって異彩を放ってしょうがない。
なのにレイチェルはいつの間にか傍にいて、遠慮の欠片もない遣り様で私の頭を揉みくちゃにした。
「……ぐぅ…」
「リドルはどうした?」
ぐらぐらぐらぐら頭が揺れる。「知らない」と、答える声もぶれていた。
「レイチェル。それくらいにしないとルーラの首がもげるよ」
「あぁ、いたな」
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