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 窓から差し込む朝日を忌々しそうに一瞥した黒猫は、足早に部屋を横切って寝台に飛び乗る。

「どう思う?」

 脱いだ上着を少し考えてから次元の狭間に落とし込むと、足元の床が僅かに歪むのが見て取れた。注視していなければ気付けない程度のものだったが、確かに歪んでいた。

「ねぇ、」

 聞いてる? ――言外の問いかけにも答えず、丸くなった黒猫は目を閉じる。分かり易い意思表示であったが何故かイラッときて、気付けば衝動的に次元を抉じ開けていた。
 黒猫の真上で、僅かに景色が歪む。

「シャワー浴びてくる」

 大量の荷物に押しつぶされ、黒猫はニギャッと可愛げのない声を上げた。
 寝台のある部屋と浴室とを仕切る薄っぺらい扉に手をかけ一度振り返ってみると、タイミングよく山となった荷物が雪崩を起こす。黒猫は埋まったまま。

 
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