私の魔力に隅から隅まで侵食され、とろとろと溶けたラピスラズリは小さな刷毛のひと塗りでサーフィールの爪を覆う。
深く落ち着いた青が彼女には良く似合っていた。
「綺麗に塗れるもんだね」
「魔法使いですから」
あっという間に両手の爪十枚を塗り上げ、満足のいく仕上がりに一つ頷く。
「落としたくなったら言ってね」
「わかったよ」
「うん。――ありがとう、サーフィール」
美しいことにはただそれだけで価値があると、私はとうに確信していた。
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