噛み締めた唇から錆びた味が流れ、――それでも――動かない体を忌々しく思う心と、――彼の、誇りをを守るために――動くまいと体を地面に縫い付けた心が正面から衝突した。――胸が張り裂けそうだ――。
「神田・・」
世界が崩壊する。
私は何も出来ずただ見ているばかりで、――伸ばす事の出来る手が今ここにあるのに――どうしたらいい? 私はここにいるのに、これじゃあ――いないも同じだ。
「――――」
世界に楽しいことはありますか。
生きることは楽しいですか。
死の向こうには何かありますか。
それは楽しいことですか。
過去の私は何も知らなかった。だから、今ここに私がいてそして――
「ど、して・・っ」
彼は死んだ。
世界に楽しいことはたくさんあります。
生きることはとても素晴らしいことです。
でも死の向こうには何もありません。
世界が混沌に、呑まれてしまうのです。
「・・・・・せんねん、こう」
だから忌子[イミゴ]はいいました。
「私が必要?」
漸く、貴方のシナリオ通りになるね。
怨むべくは無知なる己。憎むべきは蝕みし神[イノセンス]。
「ははっ・・」
世界など滅んでしまえ。
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