朝早く。人気のなくがらんとした教室で、目当ての机へ一直線。父さんが紙袋に入れてくれた羽織を置けば任務達成。人が来ないうちにさっさと自分の席へ引き上げた。
そのまま突っ伏して眠る。
「ヨウコちゃん」
呼ばれて目を覚ましてみれば目の前に昼のリクオがいるわけで。
「……なに…?」
「もうすぐ先生くるよ」
ちょっとがっかり。
「すごく眠そうだけど。大丈夫?」
「睡眠学習するから平気」
「寝ちゃうことは前提なんだね…」
困ったように苦笑する。昼のリクオはどうしたって夜のリクオと重ならない。根本的なところでは変わらないのかもしれないけど。
私たちの場合とはやっぱり違うのだろうか。
「ほっぺた赤くなってるよ」
「む…」
同じになってしまえばいいのに。
どちらがどちらか分からなくなり、結局どちらともつかない生き物と成り果ててしまえば。
「髪の跡もついてる」
「まじでか」
私のことだって隠さずはっきり教えてあげるのに。
「ちょっとだけだけどね」
(あなたを映す私と鏡/華と昼。こんせん)
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