他人に触られるのが嫌いで、厳密に何が嫌かと問われれば偏に体温というものが我慢ならない。冷たければ、問題なく触ることが出来るのだから。
私に触れる人間は、恭弥以外皆一様に死んでいるべきなのだ。
「お前はまたそういう無茶なことを…」
アリスに触れられるのは、実のところそう不快でもない。でなければ傍にいることだって許したりはしないのだ。機嫌の悪い時は人間なんて、隣に立たれるだけでも死ぬほど不愉快なのだから。そんなものを四六時中傍においてはいられない。
「恭弥にはベタベタしてるじゃないか」
恭弥に触れられるのは心地いい。元々一つの命。同じ体温を分けあって生まれたのだから。恭弥の熱を不快に思ったことは一度もなかった。あの温度に耐えられなくなったら、きっと私は自分自身でさえ生かしてはおけなくなってしまうに違いない。
「我侭な奴だなぁ」
だから、私に触れようとしてくる方が悪いのだ。
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