「おかしいと思わない?」
「おかしすぎてどれの事だか」
「気配。その妖狼に言霊が一切効かないなら放った探りにかからなくても不思議じゃないけど、たまにそれらしい気配を感じる」
「でも気配があった所に行っても何もない」
「走り回ってるからでしょ」
「・・あらゆる能力の無効化が奴の力だったとして・・・それが安定してないってことか?」
「それだけではなく他にも力があって、それを行使するために能力無効状態を解かざろうえない。連続した使用が出来ない。感情の起伏によって波がある。・・力が安定していないように思える理由なんて、腐るほどある」
「じゃあ何がおかしいんだよ」
「気配に色がない」
島を囲むように張り巡らせた結界の内側を、あてもなく探すことにいい加減嫌気が差した暁羽は、不機嫌であることを隠そうともせず華月を睨み付けた。
睨まれた華月は告げられた言葉の重大さに目を瞠り、あたふたと意味もなく両手を彷徨わせる。
「おまっ、何でそれを早く・・」
「ついさっき、結界の中をカヅキの力で満たしてから気付いたの」
「色がないって・・・・・クソ、卑弥呼の奴気付いてて俺に回しやがったな」
「確証はなかったんじゃない?」
「普通は言うだろ。大体そうかもしれないんならこんな苦労しなくたって・・・」
咆哮。
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