人もまばらなプラットホーム。
「最後尾でいいだろ?」
「うん」
何気なく流した視線は鉄製のアーチへ。
「置いてくぞ?」
二人分のトランクを持ったアッシュが客車の入り口に寄りかかるようにしてアリアを呼ぶ。
アリアは一拍置いて視線をアーチから外し、軽く首を傾けた。
「何と言おうと待ってるくせに」
その呆れともつかない声色にアッシュは肩を竦めトランクを引き上げる。
「あたりまえだろ」
籠から逃げ出した梟が一羽、風を切り二人の間をすり抜けた。
「ほら、行くぞ」
「うん」
視線と言葉で促されアリアも漸く一歩踏み出す。
時刻は9時50分。
「早く、来て」
肩越しにプラットホームの入り口を顧みたアリアの呟きは、誰の耳にも届くことなく喧騒に呑まれた。
「最後尾でいいだろ?」
「うん」
何気なく流した視線は鉄製のアーチへ。
「置いてくぞ?」
二人分のトランクを持ったアッシュが客車の入り口に寄りかかるようにしてアリアを呼ぶ。
アリアは一拍置いて視線をアーチから外し、軽く首を傾けた。
「何と言おうと待ってるくせに」
その呆れともつかない声色にアッシュは肩を竦めトランクを引き上げる。
「あたりまえだろ」
籠から逃げ出した梟が一羽、風を切り二人の間をすり抜けた。
「ほら、行くぞ」
「うん」
視線と言葉で促されアリアも漸く一歩踏み出す。
時刻は9時50分。
「早く、来て」
肩越しにプラットホームの入り口を顧みたアリアの呟きは、誰の耳にも届くことなく喧騒に呑まれた。
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