「――やっと見つけたよ」
口にする親しげな言葉とは裏腹に、心の中では絶対的な死をもたらす禁忌の呪文を紡ぎ、リドルは杖を振った。周囲は既に彼のテリトリーと化している。何をしようと咎められることはないし、彼自身やめるつもりもなかった。
少なくとも、指輪の痛みが引くまでは。
「随分好き勝手やってくれたじゃないか」
――リドル
「お礼に呪文を一つプレゼントしてあげよう。僕だけが使える、特別な呪文だ」
頭の中でルーラの悲痛な叫びが止まない。指輪は未だ主を助けられないでいる使い魔を責めるように指を締め付ける。当然の報いだ。
「彼女が死に僕が消えようと、この呪文が力を失うことはない」
彼女から目を離した僕が悪い。だからこれは完全な八つ当たりだ。知れば彼女だっていい顔をしないだろう。
ならば、
「――デュエスト・モール」
知られなければいい。
「永遠の死を味わい続けろ」
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