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 抱きしめてくれる腕の中で、この腕が一番好き。
「リドル…」
 私だけの腕、私だけの温もり、私が独占できる唯一のもの。
「遅いわよ…」
 痛いくらいに抱きしめてくる腕が伝えるのは、温もりと不安、僅かな安堵と…沢山の後悔。
「私をいつまで待たせるつもりだったの?」
 離れなければ良かったと、震える腕が痛々しい。――私が欲しいのはそんなものじゃないのに。
「ルー、ラ…」
「泣いてるの? リドル」
「…まさか」
「そう」
 おはようと言って。あの悪夢は終わったのだと、私はもう独りではないのだと、告げて。
「気分はどう?」
「平気よ、リドルがいれば」
 この暗闇を終わらせて。
「……」
「リドル?」
「僕は…」
 私の不安を取り去って。
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