一通りのことが終わると、参はあっけなく女に戻って甲斐甲斐しく叶の世話を焼いた。
元が自動人形なので、女だからといって同じ体格の同性一人抱え上げるにも苦労はしない。叶があてつけがましくぐったりと脱力していても、難なく身奇麗にしてしまう。
新しい服を着せられた叶はソファーに下ろされ、カップ一杯のコーヒーを両手に持たされる。その時ようやく、自分がまだ朝食も食べていないことに気付いた。
端末で確認すると、時計の針は二時を回っている。
午後だ。
「おなかがすいた」
待っててね、とばかり。参は叶の頭をひと撫でしてキッチンに向かう。
体のあちこちが痛んで立ち上がる気も起きない叶は、大人しく朝食だか昼食だかおやつだかわからない食事が出来上がるのをソファーで待った。
ちびちびと飲むコーヒーがカップの中程まで減る頃には、トレーに乗せたハムエッグと焼きたてのパンが差し出される。
朝食だ。
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