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「もう一人の私に会って、彼女に愛を貰いなさい」



 愛なんて貴女に腐るほど貰った。



「花城を怨まないでね」



 その言葉は飽きるほど聞いた。



「貴方を守れない私を許してね」
「そんな事、ない」



 貴女は俺を守ってくれた。少なくとも俺は?死にたい?なんて思ったことない。
 俺は幸福だったんだ。だから哀しまないで母さん。



「ごめんね?」
「あやまらないでよ」
「もう一人の私が、きっと貴方を愛してくれるから」
「うん」



 愛も、幸せも、温かさも、もう十分すぎるほど貴女に貰った。



「最期に、私のお願い聞いてくれる?」



 最期なんて言わないで。



「何?」



 貴女が望めば生きられるから。



「私が死んで、貴方がもう一人の私に会えたら伝えて欲しいの」
「うん」
「私は幸せでした。ありがとう・・・って」



 だから泣かないで。



「必ず伝える。だから笑って?」



 最期に貴女の笑顔を見せて。



「うん。・・おやすみ――」
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