それは突然と言えばそうだった。でもなんとなく予感はしていた。
死にそうなほど退屈でつまらない日常が跡形もなく崩れ落ちて再生不能になる。――そんな、とてつもなく物騒で心躍る予感。
「みぃーつけた」
かくれんぼで鬼になった子供が隠れていた最後の一人を見つけた時のように、その声は純粋な喜びと達成感に満ちていた。聞いているこっちが思わずつられて笑ってしまいそうになるほど楽しげで、「あーあ見つかっちゃった」と、悪くない敗北感をもたらす声。
「もっと聞きたい」と、他意もなく思った。
「…見つかっちゃった」
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