「俺に従え。それが嫌なら今すぐ消えろ」
そう言い放ち男は血塗られた右手で前髪を掻き上げた。
その視線の先で膝を突く女は緩慢な動きで顔を上げる。
「嫌よ。私はあんたの物だけど、絶対あんたに従う事はしない」
「・・いい度胸だ」
男が作り出した地獄絵図の中、女は物怖じする事もなく男を見据えた。
男はゆっくりと左手を女に向け、手の平を上向ける。
「・・・」
「連れてってやるよ。自分の命は自分で守れ」
驚愕に目を見張る女に男は告げた。
「俺からも、敵からも、な」
答えのない選択肢の果てを。
そう言い放ち男は血塗られた右手で前髪を掻き上げた。
その視線の先で膝を突く女は緩慢な動きで顔を上げる。
「嫌よ。私はあんたの物だけど、絶対あんたに従う事はしない」
「・・いい度胸だ」
男が作り出した地獄絵図の中、女は物怖じする事もなく男を見据えた。
男はゆっくりと左手を女に向け、手の平を上向ける。
「・・・」
「連れてってやるよ。自分の命は自分で守れ」
驚愕に目を見張る女に男は告げた。
「俺からも、敵からも、な」
答えのない選択肢の果てを。
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「フザケルナ」
感情もくそもなく吐き捨てたあいつは一瞬でアレとの距離を詰めた
「お前ごときじゃ俺は殺せない。俺を不機嫌にした事死して償え」
あいつのセリフが終わる前にアレは細切れにされ、俺は一歩後退さる
ジャリッと音を立てた砂利に舌打ちした。今のあいつなら俺の存在に気付きかねない
「・・・あぁ、そんなとこにいたんだ」
背筋が凍る
アレを殺った時とはうって変わって、あいつはゆっくりと、一歩ずつ俺に近付いた
「俺のものにならないなら殺すよ、誰であろうと。だって今までそうしてきたんだ。俺のものにならないのなら必要ない。――そうだろ?」
狂ってる。いや、そんな事とっくの昔に気付いてた。ただ俺がこいつの側にいたいから気付かない振りをしていただけ、おまえのものにならない? それこそふざけるな。俺は出会った時からお前の全てに囚われ身動き一つできなかったのに
「バイバイ」
恐怖に絞められた喉は声一つ上げない
目の前は真っ赤に染まり、落下する視線の先俺はありえないものを見た
「俺もすぐに行くよ」
血も涙もない奴だと思ってた。でも・・
「――まってる」
そういえば、こいつもケガすりゃ血が流れたか
感情もくそもなく吐き捨てたあいつは一瞬でアレとの距離を詰めた
「お前ごときじゃ俺は殺せない。俺を不機嫌にした事死して償え」
あいつのセリフが終わる前にアレは細切れにされ、俺は一歩後退さる
ジャリッと音を立てた砂利に舌打ちした。今のあいつなら俺の存在に気付きかねない
「・・・あぁ、そんなとこにいたんだ」
背筋が凍る
アレを殺った時とはうって変わって、あいつはゆっくりと、一歩ずつ俺に近付いた
「俺のものにならないなら殺すよ、誰であろうと。だって今までそうしてきたんだ。俺のものにならないのなら必要ない。――そうだろ?」
狂ってる。いや、そんな事とっくの昔に気付いてた。ただ俺がこいつの側にいたいから気付かない振りをしていただけ、おまえのものにならない? それこそふざけるな。俺は出会った時からお前の全てに囚われ身動き一つできなかったのに
「バイバイ」
恐怖に絞められた喉は声一つ上げない
目の前は真っ赤に染まり、落下する視線の先俺はありえないものを見た
「俺もすぐに行くよ」
血も涙もない奴だと思ってた。でも・・
「――まってる」
そういえば、こいつもケガすりゃ血が流れたか
不意に、それまでひたひたと響き続けていた水音が消えたことに気付いた
ギィッとさびた鉄のすれる音がし、コツコツとヒールが石床を叩く
「殺してきなさい」
何を言うでもなく立ち上がり、目を開けた
ギィッとさびた鉄のすれる音がし、コツコツとヒールが石床を叩く
「殺してきなさい」
何を言うでもなく立ち上がり、目を開けた
「ククッ、俺がお前の望みを叶えるとでも思っているのか?」
「・・・さぁ?」
「なら教えてやる。たとえ何があろうとありえないさ、決してな」
「そんな事言っていいの? 要で手酷く裏切るわよ」
「いいさ。お前なら」
「ねぇ、私の願い叶えてよ」
「嫌だ」
「・・・必要のない宝石は幾らでもくれるのに、一番欲しいものはくれないのね」
「俺に宝石は必要ない。だがお前は違う」
「大嫌い」
「それでもいいさ」
唯一つ、貴方に殺されることを望んだ
地位よりも、名誉よりも、永遠の命よりも
唯一人、私の物にならなかった貴方に殺される事を願った
「・・・さぁ?」
「なら教えてやる。たとえ何があろうとありえないさ、決してな」
「そんな事言っていいの? 要で手酷く裏切るわよ」
「いいさ。お前なら」
「ねぇ、私の願い叶えてよ」
「嫌だ」
「・・・必要のない宝石は幾らでもくれるのに、一番欲しいものはくれないのね」
「俺に宝石は必要ない。だがお前は違う」
「大嫌い」
「それでもいいさ」
唯一つ、貴方に殺されることを望んだ
地位よりも、名誉よりも、永遠の命よりも
唯一人、私の物にならなかった貴方に殺される事を願った
「誰も君を責めないよ」
その一言に心が悲鳴を上げた
いっそお前のせいだと全ての罪を被せられたほうが楽だと思えるほどに
誰も責めない。たった一人が被っていいものではないのだと、貴女はよくやったのだと肩を叩く
心が酷く痛むんだ
降りしきる雨にうたれ続けても流されることのない罪が
体を細切れにされるよりも酷い痛みが
押し寄せて、ひく事もなく蓄積する
「誰も君を責めないよ」
ならいっそ殺して
その一言に心が悲鳴を上げた
いっそお前のせいだと全ての罪を被せられたほうが楽だと思えるほどに
誰も責めない。たった一人が被っていいものではないのだと、貴女はよくやったのだと肩を叩く
心が酷く痛むんだ
降りしきる雨にうたれ続けても流されることのない罪が
体を細切れにされるよりも酷い痛みが
押し寄せて、ひく事もなく蓄積する
「誰も君を責めないよ」
ならいっそ殺して
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