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「フザケルナ」

 感情もくそもなく吐き捨てたあいつは一瞬でアレとの距離を詰めた

「お前ごときじゃ俺は殺せない。俺を不機嫌にした事死して償え」

 あいつのセリフが終わる前にアレは細切れにされ、俺は一歩後退さる
 ジャリッと音を立てた砂利に舌打ちした。今のあいつなら俺の存在に気付きかねない

「・・・あぁ、そんなとこにいたんだ」

 背筋が凍る
 アレを殺った時とはうって変わって、あいつはゆっくりと、一歩ずつ俺に近付いた

「俺のものにならないなら殺すよ、誰であろうと。だって今までそうしてきたんだ。俺のものにならないのなら必要ない。――そうだろ?」

 狂ってる。いや、そんな事とっくの昔に気付いてた。ただ俺がこいつの側にいたいから気付かない振りをしていただけ、おまえのものにならない? それこそふざけるな。俺は出会った時からお前の全てに囚われ身動き一つできなかったのに

「バイバイ」

 恐怖に絞められた喉は声一つ上げない
 目の前は真っ赤に染まり、落下する視線の先俺はありえないものを見た

「俺もすぐに行くよ」

 血も涙もない奴だと思ってた。でも・・

「――まってる」

 そういえば、こいつもケガすりゃ血が流れたか




心を満たす術知らず
得られた愛すら無に返す

血に染まった足跡を
血を上乗せし 覆い隠す
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