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「――・・・」



 小奇麗な天上が目についた。



「俺は・・」



 しかも見覚えのある。



「起きたのかい?」
「ドクター・・」
「覚えてるか? あんた撃たれたんだよ」
「・・俺が?」
「そう、あんたが」



 カーテンの隙間から顔を覗かせたドクターは自分の腹を指して笑う。



「あんたは運がいいよ。さすがキングだね」
「今までで一番近いな」



 また傷跡が増えた。



「・・・西の坊主共に感謝しな、あいつらあんたを見つけるのがもう少し遅かったら、あんたは死んでたよ」
「ここじゃいつどこで誰が死んだって不思議じゃない」
「あんたはまだここに必要だ」
「そーだな・・」



 撃たれたのは三回目。一回目は運良く当たらなかったけど二回目は足を掠めた。



「次は心臓だ」
「心臓に風穴開いたら治療は無理だからね」
「分かってるって」



 俺の命を狙って何が楽しいんだか。



「今日くらい大人しく寝ときな、どうせ外は雨だ」
「あぁ」
「大丈夫、一日くらいあんたがいなくてもガキ共はちゃんとやるよ」
「うるせぇな、寝かせろ」



 下手糞な狙撃手のせいでまた死に損ねた。





 ――死にたいの?





「ぇ?」



 耳をすませば激しい雨の音が聞こえる。
 幻聴か?



「まさか」



 ――迎えに来て



「・・・聞こえる」



 ――私を



 音もなくベッドを降り側にあった上着を羽織った。
 音を立てればドクターに気付かれる。だから、いつにもまして慎重に窓を開ける。



 ――迎えに



 ここが三階だとかどうでもよかった。
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