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 降りしきる雨の中俺は本当の孤独を知った。
 帰る家も迎える家族もなく、灰色の空はそんな俺を嘲笑う。



「なぁ、本当に人間も元は幻獣[ゲンジュウ]の仲間なのか?」



 そんな問いにスラムキングは笑顔で頷いた。
 けれど【幻獣】の血を持つのは【旧人類】だけで、自分たち【新人類】はその恩恵を授かる事が出来なかったのだ。と、どこか寂しそうに。
 俺たちは所謂【新人類】。進化した種。
 けれどそれは違うのだとスラムキングはガキ共に語る。【幻獣】と共に生きることが出来なくなった俺たちはいずれ滅んでこの大陸からいなくなる。
 それは明日かもしれないしずっと未来の話かもしれない。



「だが忘れてはいけない」
「もったいぶんなよ」
「幻獣は自らを信じる者の呼び声になら必ず応えてくれる」
「へー」



 年老いたスラムキングはこの世界の【異常】だった。
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