「カノン」
背後からかけられた声にカノンは立ち止まることもせず、目の前に立ちはだかる扉を押し開けた。
廊下の向こうから駆けて来たルシアはその扉が閉ざされる前に慌てて室内へと滑り込み、片手の鞄を床に下ろす。
「カノン、いい加減機嫌直せよ」
「不機嫌なわけじゃない」
「思いっきり不機嫌だろ、今」
「違う」
チェストの上に置かれていた電話のコードを勢いつけて引き千切り、無駄に大きい窓にカーテンを引き、カノンは脱いだコートをソファーに投げつけた。
「不愉快なだけだ」
そして一言吐き捨ててバスルームへと消える。
「だから、不愉快で不機嫌なんだろ?」
一時[ヒトトキ]の静寂が落ちた室内でルシアが呆れたように溜息をついた。
背後からかけられた声にカノンは立ち止まることもせず、目の前に立ちはだかる扉を押し開けた。
廊下の向こうから駆けて来たルシアはその扉が閉ざされる前に慌てて室内へと滑り込み、片手の鞄を床に下ろす。
「カノン、いい加減機嫌直せよ」
「不機嫌なわけじゃない」
「思いっきり不機嫌だろ、今」
「違う」
チェストの上に置かれていた電話のコードを勢いつけて引き千切り、無駄に大きい窓にカーテンを引き、カノンは脱いだコートをソファーに投げつけた。
「不愉快なだけだ」
そして一言吐き捨ててバスルームへと消える。
「だから、不愉快で不機嫌なんだろ?」
一時[ヒトトキ]の静寂が落ちた室内でルシアが呆れたように溜息をついた。
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