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小噺専用
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「マリア」

 その声に引き寄せられるように目覚めてから、私はずっとあの方の特別でありたいと願っていた

「_____様」

 ずっと、ずっと・・

「――死んだのか」
「どうして助けないの?! あんたなら出来るのにっ」

 だから憎い
 たった一人あの方の特別だった同類が



 あの方の命を救える特別な存在が



「__はそれを望まない」
「そんなわけない!」
「・・・望まないさ、だから俺は__を蘇らせたりはしない」



 あの方の命を救わなかったあの方の特別が



「だって、そうだろ?」
「うるさいうるさいうるさいっ」
「・・・」
「私はあんたを赦さない、絶対に復讐してやる」

 憎い

「あいつは俺たちに、自分が死んだ後は好きにしろと言った。だから好きにすればいいさ。俺も、お前も」

 あの方の理想をすばらしいと思わない、あの方の血筋を尊いと思わないあの方の特別が

「殺してやる殺してやる殺してやる!」

 あの方に唯一古の魔法を与えられた

「・・・」

 あの方に唯一隣に立つ事を許された

「好きに、すればいいさ」

 あの方に唯一傅かなかった

「バケモノが・・」

 あの方の特別
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お前たちは大切な物をなくしてしまった。
殺す術を知る者は、同時に生かす術も知らなければならないのに。
でも俺は覚えてる。だって俺を創り出したあの人は俺にそれしか教えてくれなかったから。
生かす術を知っている。
俺は俺自身を構成する全てを、俺を創り出したあの人に教えられた。
命を奪うものは同時に命を与える者でなくてはならない。だからあの人は俺に教えた。命を創り出す術を。
だから俺は命を奪う。そして同時に与える。なのにお前たちは俺を殺そうとする。

失われた命を取り戻す方法も知らないくせに。

あの人は俺に何も望みはしなかったし、何も命じはしなかった。だから俺は俺の意思で全てを決めた。だけど、大切なものをなくしたお前たちはそれを阻もうとした。



だから俺は、お前たちの命を奪うんだ。
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