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ヒロイン 『イヴ』




「静か過ぎる」

群がる腐餓鬼を一掃し、迷宮城へと踏み込んだイヴは建物の最上階を目指していた


24時間


それは彼女にとって、あまりにも長いタイムリミット

「・・・妖気が」

不意に立ち止まり、イヴは室内の空気に指を通した
伸ばしていた手を引くと、閉じた手の平を口元にやる

「先を越されたな」

あせるでもなくイヴは呟いた
向かう先は先ほどまでと変わらず城の最上階

「バカと煙はなんとやら」

慎重に辿ってみれば、同じく最上階を目指すのだろう、移動する4つの気配が感じられた
そして最上階の気配はおそらく四聖獣を束ねる妖怪・朱雀

「朱雀の首さえあればいいか」

もはや、城内に目ぼしい妖気は他になかった
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