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「なぁ、知ってるか?」
「何? いきなり」



 ある晴れた日曜日。



「鳥籠を持った万屋の話」
「よろずや?」



 大陸のほぼ中央にある街の公園。



「掲示板に書き込みしたら次の日出雲公園に立ってるんだってよ」
「あ! もしかしてそれKのこと?」



 噴水前。



「なんだ、知ってるじゃん」
「だって万屋なんていうから、何でも屋でしょ?」
「バカ、それじゃ安っぽいじゃん」





「・・・」



 楽しげに談笑しながら去っていく一組のカップルを、【K】はサングラス越しに見送った。
 噂の掲示板に書き込みがあったのは昨日。そして、【K】が現れるのは決まって書き込みがあった翌日の正午。



「3」



 時計の針が重なり合おうとその距離を縮める。



「2」



 【K】は決して待ったりしない。正午を過ぎれば、誰にも気付かれる事なくふらりと姿を消す。



「1」



 公園にある時計台が、けたたましい音と共に時間切れを告げた。



「残念」
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