「――見つけた」
その小さな呟きに気付き、たった今一人の人間を手にかけた魔女は振り向いた
「あぁ、君か」
「ウィッチクイーン・・」
「久しぶり、僕であって僕でないイキモノ」
殺さなければ。と
「ようやく僕を殺しに来たの?」
構えた刃の先端が震える
「・・・おいで」
広げられた手に、吸い寄せられるように駆け出した
「断ち切った環は、繋ぎなおせばいいんだよ」
例えるならば、
「愛しい愛しい僕自身?」
蟻地獄
その小さな呟きに気付き、たった今一人の人間を手にかけた魔女は振り向いた
「あぁ、君か」
「ウィッチクイーン・・」
「久しぶり、僕であって僕でないイキモノ」
殺さなければ。と
「ようやく僕を殺しに来たの?」
構えた刃の先端が震える
「・・・おいで」
広げられた手に、吸い寄せられるように駆け出した
「断ち切った環は、繋ぎなおせばいいんだよ」
例えるならば、
「愛しい愛しい僕自身?」
蟻地獄
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「私はあの人を殺すと誓った。だから殺さなければならない」
「どうして? その誓いに強制力はないでしょう?」
「だって私は私に誓った。私は自分に嘘をつかないと約束した」
「誰と?」
「私が殺すと誓ったあの人と」
このくだらないメビウスの環を断ち切ろうと思った
「そう・・」
「対価を、教えてもらえますか?」
あの人を殺して私も死のうと思った
「貴女の対価は――」
全てを、終わらせるため歩み出そうと決めた
「どうして? その誓いに強制力はないでしょう?」
「だって私は私に誓った。私は自分に嘘をつかないと約束した」
「誰と?」
「私が殺すと誓ったあの人と」
このくだらないメビウスの環を断ち切ろうと思った
「そう・・」
「対価を、教えてもらえますか?」
あの人を殺して私も死のうと思った
「貴女の対価は――」
全てを、終わらせるため歩み出そうと決めた
「その痛みを忘れるな」
イエス。と、それ以外の答を私は知らない
「絶対に、だ」
何度も何度も繰り返し私に言い聞かせるこの声は、初めてきく知りもしない感情がつまった声
何が、起こるのだろうか
「忘れるな」
「はい」
体に刻まれた痛みを心に刻みなおします
何があっても、たとえ死を望むほどの痛みをこの身に受けても思い出せるように、貴方が私に与えた痛みだけを胸に抱きます
「なにがあっても」
私は貴方が去ることを止められはしないから
イエス。と、それ以外の答を私は知らない
「絶対に、だ」
何度も何度も繰り返し私に言い聞かせるこの声は、初めてきく知りもしない感情がつまった声
何が、起こるのだろうか
「忘れるな」
「はい」
体に刻まれた痛みを心に刻みなおします
何があっても、たとえ死を望むほどの痛みをこの身に受けても思い出せるように、貴方が私に与えた痛みだけを胸に抱きます
「なにがあっても」
私は貴方が去ることを止められはしないから
「マリア」
その声に引き寄せられるように目覚めてから、私はずっとあの方の特別でありたいと願っていた
「_____様」
ずっと、ずっと・・
「――死んだのか」
「どうして助けないの?! あんたなら出来るのにっ」
だから憎い
たった一人あの方の特別だった同類が
あの方の命を救える特別な存在が
「__はそれを望まない」
「そんなわけない!」
「・・・望まないさ、だから俺は__を蘇らせたりはしない」
あの方の命を救わなかったあの方の特別が
「だって、そうだろ?」
「うるさいうるさいうるさいっ」
「・・・」
「私はあんたを赦さない、絶対に復讐してやる」
憎い
「あいつは俺たちに、自分が死んだ後は好きにしろと言った。だから好きにすればいいさ。俺も、お前も」
あの方の理想をすばらしいと思わない、あの方の血筋を尊いと思わないあの方の特別が
「殺してやる殺してやる殺してやる!」
あの方に唯一古の魔法を与えられた
「・・・」
あの方に唯一隣に立つ事を許された
「好きに、すればいいさ」
あの方に唯一傅かなかった
「バケモノが・・」
あの方の特別
その声に引き寄せられるように目覚めてから、私はずっとあの方の特別でありたいと願っていた
「_____様」
ずっと、ずっと・・
「――死んだのか」
「どうして助けないの?! あんたなら出来るのにっ」
だから憎い
たった一人あの方の特別だった同類が
あの方の命を救える特別な存在が
「__はそれを望まない」
「そんなわけない!」
「・・・望まないさ、だから俺は__を蘇らせたりはしない」
あの方の命を救わなかったあの方の特別が
「だって、そうだろ?」
「うるさいうるさいうるさいっ」
「・・・」
「私はあんたを赦さない、絶対に復讐してやる」
憎い
「あいつは俺たちに、自分が死んだ後は好きにしろと言った。だから好きにすればいいさ。俺も、お前も」
あの方の理想をすばらしいと思わない、あの方の血筋を尊いと思わないあの方の特別が
「殺してやる殺してやる殺してやる!」
あの方に唯一古の魔法を与えられた
「・・・」
あの方に唯一隣に立つ事を許された
「好きに、すればいいさ」
あの方に唯一傅かなかった
「バケモノが・・」
あの方の特別
お前たちは大切な物をなくしてしまった。
殺す術を知る者は、同時に生かす術も知らなければならないのに。
でも俺は覚えてる。だって俺を創り出したあの人は俺にそれしか教えてくれなかったから。
生かす術を知っている。
俺は俺自身を構成する全てを、俺を創り出したあの人に教えられた。
命を奪うものは同時に命を与える者でなくてはならない。だからあの人は俺に教えた。命を創り出す術を。
だから俺は命を奪う。そして同時に与える。なのにお前たちは俺を殺そうとする。
失われた命を取り戻す方法も知らないくせに。
あの人は俺に何も望みはしなかったし、何も命じはしなかった。だから俺は俺の意思で全てを決めた。だけど、大切なものをなくしたお前たちはそれを阻もうとした。
だから俺は、お前たちの命を奪うんだ。
殺す術を知る者は、同時に生かす術も知らなければならないのに。
でも俺は覚えてる。だって俺を創り出したあの人は俺にそれしか教えてくれなかったから。
生かす術を知っている。
俺は俺自身を構成する全てを、俺を創り出したあの人に教えられた。
命を奪うものは同時に命を与える者でなくてはならない。だからあの人は俺に教えた。命を創り出す術を。
だから俺は命を奪う。そして同時に与える。なのにお前たちは俺を殺そうとする。
失われた命を取り戻す方法も知らないくせに。
あの人は俺に何も望みはしなかったし、何も命じはしなかった。だから俺は俺の意思で全てを決めた。だけど、大切なものをなくしたお前たちはそれを阻もうとした。
だから俺は、お前たちの命を奪うんだ。
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