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小噺専用
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「――・・やば」



 唐突ですが引っ越しました。



「寝過ごしてる・・・よね」



 学校からも程近いそこそこリッチなマンションです。



「目覚ましかけわすれたー・・」



 ちなみにお隣がカナタ。



「かけてましたよ」



 同居人は、



「自分で止めてましたけど」



 ショウです。



































「何で起こしてくれなかったのよ!?」
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 まぁいいや、サボろう。



「諦めが早すぎませんか」
「人間引き際が大事」



 咎めるような声のショウを仕草だけで追い払い、もう一度二度寝しようと枕に懐いた。
 ぱたんと扉の閉じる音がして、午前中は寝倒してやろうと心に決める。



「ハルカ」



 でも、



「またサボり?」



 この場所で聞くはずのない声を聞いて、



「何で不二がいるの・・」



 自分の目を疑った。
 勉強用の椅子に腰掛けた不二はジャージ姿で、顔に貼り付けたのはいつもと変わらない笑み。
 思わずもう一度時計を見直した。



「副部長が朝練に来てないってぼやいてたから」
「それは不二が私を呼びに来た説明にしかなってない」



 私が聞きたいのはそんな事じゃなくて、



「ハルカの携帯が繋がらなかったから」
「から?」



 もっと重要な事で、



「カナタちゃんに聞いた」



 ・・・カナタの大馬鹿野郎。



「電話したらカナタちゃんがマンションの場所と部屋の番号教えてくれて、ハルカを迎えに行くって言ったら下で待ってて開けてくれたよ」



 結構セキュリティのしっかりしたマンションだね。



「ありえない・・」
「カタナちゃんもハルカがそう言うだろう、って言ってたよ」
「それを想像するのがおかしくて仕方ない、って?」
「あたり」



 なんて忌々しい妹。



「不二、学校は?」
「ハルカと一緒だよ」
「朝練出たの?」
「朝練はね」
「朝練出てサボってるの?」
「うん。ミイラ取りがミイラだね」



 っていうか何であんたはそんなに笑ってられるのよ。
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