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「柘榴」

 そのはっきりと意思を滲ませた声を聞くのは久しぶりだと、視線を上げながら柘榴は唇の端を吊り上げた。

「私は生きたいの」

 恭しく腰を折り、持ち上げた手の甲に口付ける。

「どこまでも共に、My Lord」

 貴女のためなら何度でも傷を負おう。心を砕こう。貴女のためだけに。

「紫苑」
「この命尽きるまで」

 たとえ命が尽きようと。

「行くわよ」
「「御心のままに」」

 茨の道を進もうと。
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