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「――」

 近くで響く声を意識して思考から追い出すと、ヴィアは壁に寄りかかり目を閉じた
 足は投げ出したまま、手はコンクリートの上に落とし、できる限り外界を拒絶する

「これはお前のか」
「・・・・あ、うん」

 かけられた声には、反応できる程度に

「探そうと思ってた」
「穴の近くに落ちていた。大切なものなら気をつけろ」
「頑丈だから・・・ありがとう」

 受け取った鞄を起こした膝の上に置き、背を丸め縮こまるようにしてヴィアはまた目を閉じた

「すぐに迎えが来る。準備しておけ」
「私も、行くの?」
「そうだ」

 鞄の側面に施された銀の装飾がひんやりとヴィアの体温を奪う
 いつまでたっても温もらない、凍てついた美しさと例えられたそれが今はただ心地いい

「わかった・・」

 狩りをしていいのは月の出ている間だけ、月が沈む頃家に戻って、日が昇ったら動かない。動かないで
 でもそう言われた時から随分経つ今は夜も明るい。星の光はビルの明かりにかすみ人々は空を仰ごうともしない。なら、月が出ていようといまいと関係ないではないか

「来たぞ」
「・・・」

 でも、私は夜しか狩りをしない
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